テティス
土星 III
テティスに関する事実
- テティスは
土星に知られている9番目の衛星です:
- 土星からの距離:294,660 km
- 直径:1060 km
- 質量:7.55e20 kg
- 「ティーシス
」と発音します。
- ギリシャ神話で、テティスは巨人族の女性で、海の女神であり、オケアノスの
妻であり、妹です。
- カッシニにより1684年に発見されました。
- テティスの密度は低く、ディオネや
レア
と同じように、ほとんど水性の氷でできていることを示しています。
- 西半球にはオデュッセウスと呼ばれる巨大な衝突クレーターが見え、
その直径 400 kmは、テティスの直径のほぼ2/5にも相当します
(写真 2)。
そのように大きな衝撃でもテティスが砕けてしまわなかったのは、衝突の当時、テ
ティスが液状であったか、あまり固くなかったからだろうと思われます。
そのクレーターは今ではたいへん平たく(というよりはテティスの球面に合っていて),
カリスト
のクレーターと同じ様に平坦で、
月や
水星によく見られるような高い輪状の山脈や中央の
山がありません。
- テティスの2番目の特徴は (イサカ・カズマ; Ithaca Chasma と呼ばれる) 巨大な峡谷で、
幅100km、深さが 3km から 5km もあり、テティスの周径の3/4、2000kmの長さがあ
ります(写真 1、上)。
- テティスは太古からずっと凍っていたわけではありません。過去のある時点で
はおそらく液状であり、それまでの衝突クレーターはならされてしまいました。
その後凍結し膨張するにつれて、それに適応するために表面に亀裂がはいり、今の
イサカ・カズマができたと思われます。今日われわれが目にする小さなクレーターは
、それ以降のものです。
- レアや
ディオネ
に見られるような、
アルベド値の差による模様
は、テティスには見られません。
- テレストと
カリプソはテティスの軌道の
ラグランジュ点
(テティスの軌道上で、テティスの60度前と、60度後ろ)にあります。
写真
- (上) テティス
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-
土星の月テティス。大きな衝突クレーターが見える。
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- テティスのカラー画像(ほとんど色がない)
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- もう一枚のテティスのカラー画像
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テティスに関するもっと詳しい情報
テレスト
- テレスト (土星 XIII)は土星に知られている10番目の衛星です:
- 土星からの距離:294,660 km
- 直径:29 km (34 x 28 x 36)
別名:1980 S 13
- 「タレスト」と発音します。
- ギリシャ神話では、テレストはオケアノスとテティスの娘です。
- スミス、ライツェマ、ラーソン、ファウンテンによる地上観測で、1980年に発見
されました。
- テレストは、テティスの前側の
ラグランジュ点にあります。
カリプソ
- カリプソ (土星 XIV)は、土星に知られている11番目の衛星です:
- 土星からの距離:294,660 km
- 直径:26 km (34 x 22 x 22)
別名:1980 S 25
- 「カリプソ」と発音します。
- ギリシャ神話で、カリプソは海の妖精で、オデュッセウスを7年間、彼女の島
に引き留めたといいます。
- 1980年、パスキュ、スミスらにより
ハッブル宇宙望遠鏡
用に設計試作されたカメラによる地上観測で発見されました。
- カリプソはテティスの後ろ側の
ラグランジュ点にあります。
- カリプソとテレストは、太陽系で
最も小さい
衛星の仲間です。
写真
- 注意:Voyager CD-ROMのカリプソの写真は名前違いです;
実際はそれらは
プロメテウスの写真です。
同様に、テレストと名前のある写真は、実際は
パンドラのものです。
カリプソとテレストの本物の写真は、上に挙げたものしかありません。
- ヘレネ、エピメテウス、カリプソ、ヤヌス、テレスト、パンドラ、プロメテウ
スの合成写真。
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テレストとカリプソに関するもっと詳しい情報
未解決の問題
- テレストとカリプソは、どのようにしてラグランジュ点に固定されたのか?
それらは衝突の残骸なのか?
... 土星
... エンケラドゥス
... テティス / テレスト / カリプソ
... ディオネ
...
ビル・アーネット著;1995年 2月16日更新
久島 昌弘 訳;1995年11月 4日更新