エウロパ
木星 II
エウロパに関する事実
- エウロパは木星に発見されている衛星のうち6番
目のもので、衛星の中で4番目の大きさです:
- 木星からの距離:670,900 km
- 直径:3138 km
- 質量:4.80e22 kg
エウロパはガリレオ衛星の2番目のものです。
- 英語では「ユーロパ」と発音します。
- エウロパはフェニキアの王女で、白い雄牛の姿をしたゼウスにより、クレタ島へ
誘拐されました。そしてミノスの母となりました。
- ガリレオと
マリウスにより、1610年に発見されました。
- エウロパは月よりわずかに小さいです。
- エウロパとイオは、内部組成が
地球型惑星と似ています:ケイ素化合物
を主成分とする岩です。しかしイオの密度(2.97 g/cm3、月
と同じ程度で、地球よりやや小さい)は、イオが鉄の核を
持たないことを示しています。
- しかし、エウロパの表面は、他の内惑星の表面とはまったく異なっており、
非常に
なめらかです:数百メーター以上の凹凸は見られません。唯一の目立った印は
アルベド値の差による印だけのようです。
- エウロパにクレーターはほとんど見られません;直径5km以上のクレーター
は3個
しか見つかっていません(写真3)。
これはエウロパの表面が若く活動的であることを
示しているかもしれません。しかし、2機の観測衛星
ボイジャーは、エウロパの表面のほんの一部分だけを高い
解像度でマッピングしたにすぎません。エウロパの表面の年齢は、未解決の問題
です。
- エウロパの氷の表面の下には、50kmの深さに達する液体の水の層がある可能性が
あります。もし事実なら、エウロパは、太陽系ではただ一つ、地球以外に有意な量の水の
ある場所、ということになるでしょう。
- エウロパのもっとも驚くべき特徴は、表面全体を縦横に走っている黒い線条です
(写真1、上)。これは、表面下の水の層の凍結と膨張に関係して
いるかもしれません。しかし、現象が表面全体にわたっていることは、この理論で説明
するには範囲が大きすぎるのです。
- 最近のハッブル望遠鏡による観測で、エウ
ロパは非常に希薄な(1e-11 bar)酸素からなる大気を持っていることがわかりました。太
陽系の61個の衛星のうちで、3つだけ(イオ、
タイタン、トリトン)が、大気を持っています。
エウロパの大気中の酸素は、地球の大気中の酸素のような、
生物学的起源によるものではありません。それは、太陽光と、エウロパの氷の表面に
衝突した荷電粒子が水蒸気を発生させ、それがさらに水素と酸素に分解してできたも
のです。水素は大気圏外に飛び去り、酸素が残りました。
- ボイジャーは、エウロパを良好な視界におさめることができませんでした。
しかし
ガリレオ探査機が、それを主な観測目標と
して接近しています。
写真
- (上)エウロパのカラー写真
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- エウロパの南極
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- エウロパの近接写
真
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- 遠くから見たエウロパ 39k gif
- 望遠レンズによるエウロパ(青フィルター)350k gif
- 望遠レンズによるエウロパ(紫フィルター)430k gif
- 望遠レンズによるエウロパ(紫フィルター)
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- エウロパのもう1枚の写真
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エウロパに関するもっと詳しい情報
未解決の問題
- 表面の氷はどれほど厚いのでしょう? 下には液体の水はあるのでしょうか?
- 表面の線条は何なのでしょうか? どのようにしてできたのでしょうか?
- 表面はなぜあのようになめらかなのでしょうか?
- エウロパはイオのように、潮汐力による摩擦で熱せられているのでしょうか?
- エウロパには、液体の水が存在する可能性があるため、私の生
命の存在する可能性のある星のリストに加えられています(可能性は低いですが)。
高速旅行は土星へ
... 木星
... イオ
... エウロパ
... ガニメデ ...
ビル・アーネット;更新日:1995年 3月 8日
日本語訳 1995/07/25 久島 昌弘;訳者につ
いて