パソコン通信サービスを利用する方へのルール&マナー集

 パソコン通信は、日頃からパソコンやワープロを使用する方々に、電話回線などの電子的なネットワークを介して、電子メールや電子掲示板のようなコミュニケーションサービス、ニュースやデータベースのような情報検索サービス、ショッピングのようなトランザクションサービスを利用して頂くことを目的とした会員サービスです。

 パソコン通信の世界も、私たちが日常生活している一般社会と同じように、多くの人が様々な目的をもって参加していますし、その利用形態などもまちまちです。このような電子的なネットワーク社会の中で楽しく、そして役に立つ交流をスムーズに行っていくためには、一般社会と同様に、お互いが会員双方の立場を尊重し、優しさと思いやりを持つようなエチケット、マナーを守って節度ある行動を心掛けることが非常に大切です。また、普段の生活ではうっかり見落としそうな著作権などの様々な権利や、パソコン通信のルールなどにも気をつける必要があります。

 ここでは、例を交えながら、それらのルール、マナーなどについてまとめましたので、是非参考にして下さい。特に、初心者の方は一読することをお薦めします。

1.まず始めに

1-1 パソコン通信の基本原則について
 通常、多くのパソコン通信では、会員がそのパソコン通信を利用するにあたって、禁止されていることや注意すべきことなどを明記した会員規約が定められています。したがって、加入したパソコン通信に会員規約がある場合には、それが基本原則となりますので、まず始めに必ずお読み下さい。

1-2 パソコン通信で利用する文字について
 普段パソコンやワープロで使っている文字と、パソコン通信で通用する文字とは違うことがあります。特に、記号類(枠線など)やマルつき数字、ローマ数字などには互換性がないことが多く、また半角カタカナはUNIX系の機種では表示されませんので、ご注意下さい。

1-3 パソコン通信での文章の書き方について
 文章フォーマットについては、なんといっても読みやすいことが一番重要です。一行おきに書くと冗長性が高く嫌われます。かといって、べたっとひと続きに書かれたものは読みにくく、これまた嫌われてしまいます。適当に段落を入れ、その際に一行あけると読みやすくなり、効果的です。
 内容面では、「簡潔であること」が大切です。ポイントを押さえ、要点を一つに絞って書くようにしましょう。長い発言も嫌われます。熱心に書いても、読んでもらえなければ全くの無駄になります。また相手の発言を引用するのも、最小限にしたほうが良いでしょう。あまりに引用が多いと訳が分からなくなります。

2.ユーザID/パスワード

2-1 ユーザIDとパスワードの管理はしっかりと
 パソコン通信におけるパスワードは、キャッシュカードでいう暗証番号に相当します。したがって、ユーザIDが他人に利用されないようにパスワードの管理を厳重に行うことは、パソコン通信ユーザとして大事な義務です。以下に示す例を参考にしてパスワードの管理を行って下さい。
(例)●ID、名称、電話番号などの他人に容易に類推されるようなパスワードは絶対に設定しない。
   ●一ヶ月に一度など定期的に変更する。
   ●他人にパスワードを教えたりしない。
   ●自分のパスワードを設定してある通信ソフトをコピーし他人に渡さない。
   ●前回のアクセス日時や利用履歴など見て、身に覚えのない利用がないか日頃から注意する。

2-2 他人のユーザIDとパスワードは使わない
 他の会員のパスワードを入手して使用することは、絶対にやめましょう。

2-3 パスワードは他のパソコン通信と兼用しない
 複数のパソコン通信に加入している場合にパスワードを兼用することは、盗用されると被害が大きくなるので、絶対にやめましよう。面倒であったとしても、一つのパソコン通信に一つのパスワードとすることをお薦めします。

3.電子メール

3-1 基本的な心構え
(1) 相手の立場になって
 電子メールは、日常生活でいうところの手紙に相当するものですから、電子メールを出す立場だけでなく常に受け取る立場になって、自分がもらったら不愉快になるような内容は書かないことが大切です。

3-2 利用にあたって
(1) 知らない人へはまず自己紹介から
 まだ「会った」ことのない人に電子メールを送る場合は、まず自己紹介をして自らの素性をはっきりと相手に知らせるようにしましょう。 (2) 返事が遅いからといって怒らない
 相手にも都合があり、必ずしもすぐに返答できるとは限りません。返事がすぐこないからといって、苛立ってはいけません。
(3) 知らない人からメールを受けた時、その内容を鵜呑みにしない
 巨大で複雑な電子ネットワーク社会の中には、悪意を持って接触を試みてくる人がいないとも限りません。もし、不愉快な電子メールを受け取ったら、相手にせずに削除するか、もしくは電子ネットワーク管理者(事務局)にその内容を届け出て、対応してもらうのが安全です。

3-3 その他
(1) 電子メールは公開しない
 受けとった電子メールが個人宛である場合に、他の会員へ転送することは、プライバシーの侵害などのトラブルの元になりますので、絶対しないようにしましょう。また、相手の了解なく公開の場である電子掲示板や電子会議室に掲載することは、プライバシー、著作権侵害などのトラブルの元になりますので、絶対しないようにしましょう。
(2) むやみに営業目的のダイレクトメールの送信はしない
 有料サービスの電子ネットワークでは情報を送信するときも、そしてそれを受信するときも、利用料金が必要です。商品の宣伝のように一方的に売り込みが目的のメッセージは、読む側にも料金のチャージを強いるものなので逆効果になります。

4.電子掲示板や電子会議室

4-1 基本的な心構え
(1) 電子メールとの違い
 電子掲示板や電子会議室は、特定の会員とやり取りする電子メールとは異なり、不特定多数の会員に対して発言する場です。そのため、多くの聴衆(読者)があなたの会話に耳を傾けています。電子掲示板や電子会議室では誰もが発言の機会を持っていますが、何を書いても良いということではありません。一般社会で許されないようなことは、パソコン通信などにおける社会の中でも許されないことを認識する必要があります。
(2) ギブアンドテイクでいく
 困った時だけ、「何々について知っている方教えて下さい」などと頼んでおいて、相手が返事をくれても知らん顔をしたり、相手が困っているときに助けようともしないようなことは是非とも避けましょう。パソコン通信でも、一般社会と同じように、質問などに答えてもらったらお礼を忘れず、相手が困っているときは協力するなど、お互い助け合っていくことがエチケットです。
(3) 誹謗・中傷しない
 他の会員の書き込みに対して反論する場合には、事実に基づいて、かつ相手を傷つけないように心掛けて下さい。決して相手の人格全体を否定するような書き方をしてはいけません。
(4) 猥褻な画像や文章などを載せない
 パソコン通信における社会も一般社会と同じように老若男女を問わず様々な会員が参加しているのですから、公序良俗に反するようなアダルトビデオの広告や卑猥な画像・文章などを電子掲示板や電子会議室で公開することは決してしないで下さい。
(5) 他人のプライバシーに配慮する
 許諾なく、他人の私生活上の事実や秘密・写真・似顔絵(肖像)を電子会議室や電子掲示板上で公にすることは、その人に嫌悪、羞恥、不快感などの精神的苦痛を与え、プライバシーの侵害となる他、場合によっては名誉または信用の毀損となりますので、決してしないで下さい。
(6) 発言には誠意と責任をもって
 不確実な情報を自明の事実のように語ったり、言いっぱなしでフォローしないような行動は、トラブルの元になったり、自らの信頼を失わせることになります。あくまでも誠意と責任をもって発言しましょう。
(7) ベテランとしての対応
 ベテランは、初心者に対して決して偉ぶらず、おしつけがましくなく、自然な態度でアドバイスをしてあげましょう。
(8) 初心者としての対応
 また一方、教えてもらう初心者もアドバイスを与えてくれる人の声に謙虚に耳を傾ける態度で接することが大切です。

4-2 利用にあたって
(1) プロフィールなどで自己紹介を
 プロフィールなどを登録できる場所がある場合は、できるだけ自己紹介しておきましょう。発言を理解してもらうことを補足する効果があります。
(2) 会議室のテーマに合わせて
 複数の会議室に同じ発言を登録するマルチポストは、読者の迷惑になります。最も適切と思われる場所、一カ所に登録するのが基本です。
(3) 題名に気を配る
 内容と全く遊離したり、的外れな題名をつけるのはやめましょう。できるだけ具体的に内容を反映して、分かりやすい題名を工夫するよう心がけましょう。
(4) 相手の発言をよく読む
  相手の発言を良く読まず、また前後の状況を良く理解しないで不用意な発言をし、トラブルを引き起こし周りの迷惑になる人がいます。まず、相手の発言をよく読み相手の発言意図を理解し、また、全体の流れを踏まえた上で発言するようにしましょう。特に電子会議室で初めて発言する際には、まず過去の発言を読み、雰囲気を崩さないような配慮が必要です。
(5) 意見を述べるときは
 誰かの発言に意見を述べるときは、どの発言に対する意見なのかを明確にした上で登録しましょう。後からまとめて読むときに、会話の流れに沿って読み進むことができます。
(6) ログの引用を多用するのはやめる
 相手の発言の履歴(以下、ログという)を自分の発言の中で引用する場合は、必要最小限にとどめることを心がけましょう。同じ発言を繰り返すことは、読まされる周りの会員の迷惑となります。
(7) 一方通行の書き込みはしない
 パソコン通信は、あくまでも双方向のコミュニケーションであることを忘れず、一方的な書き込みだけを繰り返さないことが大事です。
(8) 議論が沸騰している場合ほど冷静に
 議論が沸騰することがありますが、すぐにコメントするのではなく、できるだけ冷静になって、登録前に書いた文章を読み返すくらいの余裕を持ちましょう。エキサイトすると言葉尻をとらえての応酬になりがちで、参加者全員への迷惑となりますので、注意して下さい。

5.著作権の取り扱い

5-1 基本的な心構え
(1) 著作権で注意すべきこと
 電子ネットワーク上に登録されたメッセージは、そのメッセージを掲載した人の著作物となることもあります。第三者のメッセージを、著作者の許可を得ずにパソコン通信上に掲載することは、著作権の侵害にあたります。
 また、パソコン通信により入手したプログラムなどの著作物を、登録者や著作者の許可なく転載することも著作権の侵害にあたることがあります。特に、初心者の方は、無意識に行ってしまう可能性がありますので、常に心に留めるよう努めてください。以下のことは著作権の侵害にあたることがありますので、注意してください。
(例)●通信画面を雑誌や同人誌、他の媒体に著作権者に無断で掲載すること
   ●書籍、新聞、雑誌などの文章や記事、写真などを無断で転載すること
   ●テレビやビデオなどから取り込んだ画像や動画データを無断で転載すること
   ●芸能人など著名人の写真やキャラクターの似顔絵などの画像データを無断で転載すること
   ●市販ソフトウエアそのもの、および一部改変したデータを無断で転載すること
   ●楽曲の歌詞を転載すること
   ●ある人から来たメールを承諾なしで公開すること
   ●電子会議のメッセージを無断で第三者や他の媒体へ転載すること
   ●第三者が作成したソフトウェアを許可なく無断で第三者や他のネットへ信すること など

5-2 利用にあたって
 他人の著作物利用には以下の方法があり、それぞれ違いがあります。目的に合った利用方法を選択され、正しく利用するよう気を付けてください。
(1) 複製・転載について
 他の発言や書籍の全部または一部などをそのまま抜き出して利用することを言います。その際には、発言者や出版社などに転載の許可をもらわない限り、利用できないことになっています。また、電子ネットワーク上での利用という観点からの許可(「有線送信」の許諾)を得ることも必要です。
 もし無断で転載した場合、これは書籍などの裏表紙に記載されている「無断転載、複製お断り」の「無断転載・複製」にあたります。最悪の場合には著作権侵害で訴訟問題に発展する可能性もあります。皆さんは、くれぐれもそのようなことにならないよう注意してください。
(2) 引用について
 自分の意見などと比較するため、または補強したりするために他人の著作物を利用する場合をさします。これは著作権法上認められた行為で、著作権者に許可を求める必要はありません。ただし、引用部分を「  」で括って表示するなど、自己の文章と明確に区別できるように記載した上、引用された著作物の発言掲載場所、題名や著作者名などを明示する必要があります。しかし「引用」はあくまでも自分の意見の補強や論評など引用の目的上正当と認められる範囲内の利用に限られ、他人の発言や書籍内の内容の抜粋に終始している場合など引用の必要性がない場合、引用部分が量的に引用の目的上必要な範囲を超えている場合、自分の文章の部分より多くを占めている場合などでは、「引用」ではなく「複製・転載」として扱われます。

6.ウイルスに気をつける

6-1 基本的な心構え
(1) 知らない人からのバイナリー、 ISH 形式の電子メールに注意する
 見ず知らずの人から突然、バイナリーや ISH 形式(プログラムなどのバイナリーファイルをテキストデータに変換している形式)の電子メールが送られてられてきた場合は、注意が必要です。(インターネット経由も含みます。)
 送られてきた電子メールがコンピュータウイルスに感染していたり、コンピュータウイルスそのものの可能性があるからです。このような場合は、むやみにダウンロードしないで削除するか、電子ネットワーク管理者(事務局)に届け出てください。
(2) アップロードはウィルスチェックしてから
 また、自分がソフトウェアやデータなどの各種ファイルをアップロードする場合には、必ずウイルスチェックプログラムを用意し、チェックをしてからアップロードするようにして下さい。

6-2 その他
(1) 個人的なウイルス対策を講じておく
 ウイルスチェックプログラムを用意し、定期的に自分のパソコンをチェックしたり、データのバックアップをまめにとっておけば、万一ウイルスが混入しても、損害は最小限におさえられます。

以上


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