東金女子高等学校 Page1/2


新100校プロジェクト 平成9年度実施報告 【1/2】



 

○インターネット利用状況

○平成9年度の成果と課題

 インターネット・サーバおよびインターネット教室を4月に整備し,最新の設備環境を装備した。サーバはUltra SPARC 143MHzのsolaris2.5.1 UNIXワークステーションで,校内イントラネットはスイッチングハブを基本とした100Mbps高速LAN上にWindows NTサーバ2台を擁して,インターネット教育環境のモデル事例となる設備を構築し運用評価している。回線は10月に64kbpsデジタルアクセス回線に増速された。
 情報処理の単元ではネチケットの指導に本格的に取り組んでいる。電子メールアカウントは,技術およびネチケットの指導を終えた者に利用権を与える。またWWWの利用も,世界史など一般教科でも一部実施され,サーチエンジンの利用など情報活用能力の育成に役立っている。
 インターネットが利用できる教室は2教室となり,廊下や職員室などの端末も合わせるとファイヤーウォールを兼ねたプロキシ・サーバ経由で130台程度からインターネットアクセスが可能になっている。教室の空時間の関係から一般教科に供与する余裕がなく、一般教員および教科での利用はまだ小規模である。情報関連教科で主に利用し、WWWの参照や情報発信およびイントラネット内でのチャットや掲示板によるコミュニケーションを主体とした。課外活動での利用は教室を開放しているほか、特にアートクラブでホームページ作成、作品公開などの情報発信的利用が行われた。
 そのほかのインターネット利用の成果および効果としては、新しい情報メディアのリテラシーを身に付けたこと、印刷メディアに較べ、学校から情報を発信する対象を格段に増やすことができたことがあり、成果物としてはホームページに掲載したさまざまな著作がある。
 昨年度に引き続き、自前のWWWサーバで多くの公益的な情報を掲載して社会的貢献も行った。ネチケットガイドライン日本語版やネチケットホームページは多くの参照を得て好評を博しており、インターネット社会でのマナーの普及に貢献している。ザ・ナインプラネッツ日本語版は中学校や小学校の理科の授業で教材として利用されるなど天文知識の普及に役立っている。また、インターネットの利用やサーバ管理に伴う技術的な問題の解決として発足した千葉大学教育総合実践センターのschool-techメーリングリストの開設に携わったほか、地域向けインターネット講習会や地域ユーザグループとの連携を通じて、地域社会への貢献助言も展開している。
 対外的には、新100校プロジェクト共同企画をはじめとした交流にも引き続き積極的に関わる予定である。公益的な自主企画・開発も引き続き推進し、インターネットの学校利用への牽引車的役割を担っていきたい。また、ネットワークを利用した生徒間の共同制作など、生徒同志の交流への取り組みも拡大していきたい。
 そのほか、保護者や近隣校の教師、生徒、地域社会人等を対象としたインターネットセミナーを開催する啓蒙活動も拡大する予定である。

○プロジェクトに参加して

 100校プロジェクト対象校として提供を受けたインターネット利用環境を本校では恩恵と考え、実践を通じた普及啓蒙活動、公益情報の提供などの貢献を通じて社会に恩返しをするべく邁進してきた。利用上の問題点なども各校担当者との情報交換を通じて解決を図り、あとに続く学校に対して有効に助言できるだけの経験と知識も積んできており、それらを地域連絡会などの場で還元する努力も続けている。
 文部省の4万校計画が次年度から着手されインターネットは今後6年で順次各学校に導入されていく。学校向けインターネットサーバ機も開発され,教育用ドメイン名新設といった技術的社会的環境の一層の整備も検討されている。100校プロジェクト,新100校プロジェクトは一連の流れの大きな核であったし、今後もこのプロジェクトを経て培われたノウハウ、経験を積んだ人材資源は各地で生かされていくだろう。何よりいち早くインターネット利用の素養を身につけた生徒たちの今後の活躍が楽しみである。
 他方、インターネットの問題点、陰の部分がマスコミ等でいろいろ取り沙汰されている。調査研究の結果わかったことは、それらの本質は現実社会のかかえる矛盾にあり実社会における倫理的啓蒙が最良の解となるということである。インターネットの利用を通じた種々の体験を「心の教育」体験として子どもたちが学ぶことで今後は改善するだろうし、諸問題に対して技術的解決も図れるというメリットがあり、前途はさほど悲観的なものではない。
 ネットワークは、人と人を結ぶもの。これは確信を超越して真理となった。インターネットを通じて得た知己は全国に広がり、直接顔を合わせなくとも日常的な交流が保てている。この人的ネットワークは、今後も拡大成長を続け、より明るい未来への礎となるであろう。


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