学校法人高橋学園 東金女子高等学校 総務部長
インターネットのML(メーリングリスト)や電子ニュースで翻訳ボランティアを募り、アメリカの優秀なWWWコンテンツの日本語化を行った。ここでは、「FAUガイド&ネチケット日本語版プロジェクト」と「ザ・ナインプラネッツ日本語版プロジェクト」の2つの企画について報告する。
1995年11月に100校プロジェクトのaimiteno MLでネチケットについての話題が出た折に、早稲田大学の千里眼検索システムを使用してこの文書の存在を知り、著者に電子メールで日本語版の有無と翻訳の可否を尋ねたところ「日本語版はまだない。日本の読者のためにぜひ翻訳して欲しい。」と快諾をいただいたので、aimiteno MLで翻訳ボランティアの募集を行い、直ちに作業に入った。1996年2月現在、全体の9割程度が完了し、WWWでの公開を行っている。完成後はパッケージ化して、anonymous FTPサービスで無償公開する方針である。
[ 英語原版のURL: http://www.fau.edu/rinaldi/netiquette.html ]
[ 日本語版のURL: http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/fauj/netiquette.html ]
このプロジェクトに関連して、1月26日の100校プロジェクト活用研究会の折に慶応義塾大学の武藤先生からご紹介いただいたSally Hambridge著の“Netiquette Guidelines”「ネチケットガイドライン」(RFC1855;FYI28)の日本語版を作成し、fjニュースグループで公開するとともにWWWでも公開した。これは、2月5日にInternetWatchという日刊の電子メールニュースでも紹介され、当日1日だけでも1260アクセスという好評を得た。
[ 日本語版のURL: http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/rfc1855-j.html ]
これらをもとに、ネチケット情報を発信する「ネチケット・ホームページ」を開設している。
[ URL: http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/netiquette/index.html ]
100校プロジェクトによるインターネット利用環境が1995年6月から本格的に稼働するようになった当初、WWWによるいわゆるネットサーフィンを楽しみ、偶然 William A. Arnett著の“The Nine Planets”の存在を知った。その素晴しさを堪能するとともに、日本の児童生徒も容易に読めて惑星科学への認識を深めることができたらと思い立った。アーネット氏に電子メールを送ってmirror(複製)サイトの開設と日本語化の許可をお願いしたところ「日本でのミラー開設は初めてで非常に嬉しい。翻訳も良い考えである」と歓迎され、許可を得ることができた。80以上のページを独力で翻訳するのは大変なので、日本語版翻訳ボランティアを募集することにした。最初に100校プロジェクトのMLで協力者を募ったが、1学期末という多忙な時期でもあり、応募状況はかんばしくなかった。そこで電子ニュースのfj.sci.astroニュースグループでも募集告知を行ったところ、一般の天文ファンから多数の応募を得ることができ、共同翻訳プロジェクトが実現した。無償公開を前提にボランティアとして熱心に作業してくれるメンバーの協力で、1995年11月にほぼ9割の和訳が完了し、雑誌「Internet Magazine」1996年1月号の付録CD-ROMに収録されている。英語版の内容は毎週最新の情報をもとに更新されており、現在日本語版のアップデート作業が進行中である。100校プロジェクトからは2校が参加した。
[ 英語原版のURL: http://www.seds.org/nineplanets/nineplanets/ ]
[ 日本語版のURL: http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/9planets-j.html ]
いずれも進行中だが、成果著作物は公益的情報としてWWWによる公開およびFTPパッケージの無償配布を実施し、100校プロジェクトで提供されたインターネット利用環境を社会貢献という形で還元している。プロジェクトの実施にあたって、電子メール、WWW、FTPを活用した。